「育て方が違った」「悲しい」 日ハム・新庄監督、ソフトバンク移籍の上沢に〝持論〟展開

スタッフ会議を終え、取材対応する日本ハム・新庄剛志監督=8日、鎌ヶ谷(田村亮介撮影)

日本ハムからポスティングシステムを利用して米大リーグに挑戦し、レッドソックス傘下のマイナーリーグなどでプレーした上沢直之投手(30)が、わずか1年でプロ野球ソフトバンクに加入したことを巡り、日本ハムの新庄剛志監督は8日、「ああいう決断(ソフトバンクへの移籍)をして、ちょっと育て方が違ったのかな、と。すごい悲しいし、一緒にやりたかった」などと胸中を明かした。

上沢は日本ハム時代の2021年に12勝を挙げるなど通算70勝をマーク。23年オフにポスティングシステムを利用して米大リーグに挑戦した。昨年はレッドソックスでメジャー初昇格を果たしたが、2試合の登板にとどまった。ソフトバンクは昨年12月、上沢と契約合意したことを明らかにした。

8日に行われたスタッフ会議に出席した新庄監督は、終了後に報道陣の取材に対応。国内フリーエージェント(FA)権を取得していない段階で球団の容認が必要なポスティングシステムを利用した選手が、1年で他球団へ移籍できてしまう現行のルールに触れ「ポスティングで行って、(米大リーグで)あまり活躍できなくてソフトバンクに行くという流れは、(ソフトバンクの)ファンも心から喜べるのかな」と持論を展開した。

有原に続き…看過できず

日本ハムとソフトバンクには〝因縁〟がある。日本ハムに20年まで在籍していた有原航平投手はポスティングシステムを利用し、大リーグのレンジャースに移籍。2年間で計3勝に終わったが、23年にはソフトバンクへ入団し、日本球界復帰を果たした。ルール上では他球団への移籍は認められているとはいえ、ライバル球団への相次ぐ移籍は、新庄監督にとっても看過できるものではなかった。

「でも、もう終わったこと。彼が投げるときには、ファンのためにも負けない野球をしていきたい」と自らに言い聞かせた新庄監督。昨季はレギュラーシーズン、クライマックスシリーズ(CS)で熱戦を繰り広げてきたソフトバンクとの一戦は、今年も違った意味で熱を帯びそうだ。(浅野英介)

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