51歳で孤独死した準主犯格Bの再犯の背景…義兄「普通ではない」更生を妨げた妄想「女子高生コンクリート詰め殺人」加害者の“その後” | TBS NEWS DIG (2ページ)

Bには10年に及ぶ獄中生活で拘禁反応による妄想が現れていたとみられる。刑務所など刑事施設に長い間拘束されると、もともと精神障害がなくても、神経症や妄想、幻覚などの症状が現れることがわかっている。

Bが再犯で暴行に及んだ現場(東京都足立区)撮影去年12月

300件もの精神鑑定を経験した犯罪精神医学の小田晋氏は、Bの再犯は妄想の影響があったと分析した。

精神科医・小田晋氏

「職場でコンクリ詰め事件の噂をされたとか、彼の前科や実名も知られているというのはBの思い過ごしです。一種の逆恨みですね。なぜ逆恨みが生じたか。拘禁反応の中で形成された被害妄想的な態度が矯正されないまま社会に出てしまったためです。これが今回の犯行に直結するさまざまな被害者とのトラブル、それから被害者に対するBの恐怖心や誤解は被害妄想的な態度から出ている。Bの状態は『妄想性障害』の傾向。あるいは刑務所の中で彼がもともと持っていた『妄想性人格障害』の傾向が発展してきたということが考えられる」(2005年取材)

現在の綾瀬駅前

ある日、Bは母親を次のように疑ったという。

義兄「『自宅に隠しカメラとかマイクがあって、俺のことを監視してる』だとか。今回の事件のきっかけになる相手に『情報を送ってる』だとか、話がもう支離滅裂ですよね」 

Bが幼いころに家を出ていった父親も、刑務所には何度か会いに行ったと話す。

記者「刑務所で会ったときのBはどんな様子だったか?」

父親「おとなしかったよ。だけど刑務所でもだいぶ暴れたみたいだね。『(刑務官に)殴られた』と言っていた。頭がおかしくなっちゃったんだよね、多分」

コンクリ詰め事件当時、Bが暮らしていたアパート前の風景 撮影去年12月

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