楽天・藤平尚真はチーム3位の20ホールドを記録し、侍Jにも選出
2016年ドラフト1位で横浜高から楽天に入団した藤平尚真投手。先発からリリーフに転向して臨んだ8年目の今季は、5月に腰の違和感で一時離脱するも、後半戦は“勝ちパターン”に定着。47登板で防御率1.75、奪三振率11.27の好成績を残し、チーム3位の20ホールドを挙げた。躍進を遂げた右腕の強みをデータから探っていく。(数字は2024年シーズンのもの)
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26歳右腕の最も大きな変化は、球種を絞ったことだ。昨季の藤平は全投球の半分がストレートで、残り半分が3種類の変化球という球種配分だった。しかし今季はストレートの割合を62.0%まで増やし、変化球はほぼフォークのみ。この2球種で全投球の約95%を占めた。
まず、藤平が「自分の武器」と語るストレートの変化を見ていく。リリーフに回ったことで、平均球速は前年の146.9キロから150.6キロまで向上。ストレートの球速はリーグ全体で毎年少しずつ上がっているが、その中でも際立った伸びを見せた。9月2日のオリックス戦(楽天モバイルパーク)では森友哉捕手、西川龍馬外野手、頓宮裕真捕手からストレートで3者連続三振を奪い、その球威と自信の強さを印象づけた。
次にフォークの特徴を探っていく。今季の藤平はストライクゾーンに数多くフォークを投じており、追い込む前の状況では45.0%と、リーグ平均よりも6ポイントも高い数値となっている。また、奪空振り率は24.6%と、リーグ3位の高い数値を記録。ゾーンの内外を問わず、安定してストライクを期待できるフォークは、直球勝負を陰で支えた球種といえる。
シーズン終了後には野球日本代表「侍ジャパン」に選出され「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」に出場。大会最多タイとなる6試合に登板し無失点、12三振を奪った。1点リードの9回を任されたキューバ戦で、ピンチを切り抜けた際の雄たけびは記憶に新しい。来季も打者を圧倒する闘志満点の投球を期待したい。
(「パ・リーグ インサイト」データスタジアム編集部)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)