三菱UFJのウェルスナビ買収を加速させた「石原さとみと新NISA」《130億円資産を持つ柴山和久CEOの今後は?》 | 週刊文春 電子版

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は11月29日、ロボットアドバイザーによる個人資産運用サービスを提供する「ウェルスナビ」(東京都品川区)を完全子会社化することを発表した。その狙いはどこにあるのか。ウェルスナビはなぜ、メガバンクの傘下に入ることを決めたのか。

MUFGが買収を発表したのは、折しも、貸金庫から元行員が十数億円相当の金品を盗み取っていた不祥事を三菱UFJ銀行が発表してから1週間後のことだった。

ウェルスナビ創業者の柴山氏 ©︎時事通信

「MUFG傘下の三菱UFJ銀行は12月2日から来年1月20日までの期間に、ウェルスナビの株式公開買い付け(TOB)を行い、全株式を取得する方針です。買い付け価格は1株当たり1950円で、総額は約997億円。ウェルスナビは東証グロース市場に上場していますが、前日まで1000円台で推移していた株価は、11月29日にはストップ高の水準となる1358円まで跳ね上がりました」(銀行関係者)

株式市場の大きな注目を集めたMUFGによる買収発表。そもそもウェルスナビとはどんな企業なのか。

6年余りの利用で800万円が1400万円に

創業したのは、元財務官僚の柴山和久CEO(46)だ。東京大学法学部を卒業後、2000年に旧大蔵省に入省。「体育会系というより秀才肌のタイプ」(元同僚)だったという。ハーバード・ロースクール修士課程修了、イギリス財務省出向などを経て、2009年に退官。フランスのINSEAD(欧州経営大学院)でMBAを取得したのち、外資系コンサルティング企業のマッキンゼーに転職。東京オフィス及びニューヨークオフィスに勤務し、リスク管理や資産運用に携わってきた。

「その柴山氏が2015年、『誰でも安心して“長期・積立・分散”の資産運用が行えるサービスを生み出したい』という想いから立ち上げたのが、ウェルスナビです。ロボアドが運用商品の選択、バランス調整などの投資を自動的に行うサービスを展開し、日々の仕事に多忙なビジネスパーソンや運用初心者を中心に利用者数を拡大していった。2020年にはロボアド専業として初めて上場を果たしました」(ウェルスナビ関係者)

サービスの利用者も証言する。

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