時事通信 外信部2024年12月29日21時09分配信
29日、韓国南西部・全羅南道の務安国際空港で炎上する旅客機の残骸(AFP時事)
【ソウル時事】韓国・全羅南道の務安国際空港で29日に起きた旅客機事故に関し、韓国メディアは、鳥類がエンジンに衝突する「バードストライク」の影響で着陸時にブレーキの役割を果たす車輪(ランディングギア)が故障し、減速できなかったとの見方を伝えた。ただ、左右に1基ずつあるエンジンが同時に出力を喪失したのかなど、解明すべき謎は多い。
事故機は空港に胴体着陸し、ほとんど速度を落とさず滑走路を進み壁に激突、炎上。飛行中の同機の右エンジンから煙が吹き出る瞬間を捉えた映像も報じられた。
聯合ニュースによると、航空専門家は「鳥類がエンジンに入るとエンジンが壊れ、連結している油圧システムにも影響を与える場合がある」と解説。「ランディングギアを上げたり下げたりする油圧システムが故障した可能性がある」と指摘した。
ただ、片方のエンジンが壊れても、残る1基が無事ならランディングギアを動かすことはできる。油圧システムもバックアップ用の補助装置を備えており、作動しなかった理由は不明だ。韓国航空大学のキム・インギュ飛行教育院長は聯合に「(機首と左右主翼下の)3カ所のランディングギアが全て出なかったのは非常に珍しい。鳥類衝突だけで起きたと考えるのは難しい」と分析した。
最終更新:2024年12月29日21時49分