青学大3区の鶴川正也(左)と青学大4区の太田蒼生=平塚中継所(代表撮影)
第101回東京箱根間往復大学駅伝競走往路(2日、東京・大手町-神奈川・箱根町芦ノ湖駐車場=107.5キロ)青学大が5時間20分1秒で2年連続7度目の往路優勝を果たした。3日の復路に総合2連覇が懸かる。中大が1分47秒差の2位で続き、早大が3位。2年ぶりの総合優勝を目指す駒大は4位、大学駅伝3冠に挑む国学院大は6位だった。青学大は4区の太田蒼生(4年)が区間賞の活躍。レース後には婚約したことを〝サプライズ発表〟した。
3区を終えて首位の中大とは2分24秒差。普通ならば連覇に黄信号がともる大差だが、青学大4区の太田には関係ない。箱根に4年連続出場の駅伝男は、一気に45秒差まで短縮し、往路優勝に大きく貢献した。
「3区までの流れを変えられた。本当はビンセントの区間記録(1時間0分0秒)を超えたかったので悔しい」
昨年12月の福岡国際マラソンで日本歴代3位の記録を出した先輩、吉田祐也(現GMOインターネットグループ)の日本人最高記録(1時間0分30秒)を6秒上回った。
4区区間賞の太田蒼生=神奈川県箱根町(撮影・佐藤徳昭)
ゴール地点の芦ノ湖には「蒼生くん」と書かれたうちわを持った女性ファンが集結し、ひと際大きな黄色い声援が上がるほどの人気者だが、この日は左手薬指に指輪が光っていた。
レース後の会見で報道陣に問われると、「早いうちに結婚したいと思っている」と何とサプライズで発表した。お相手については「個人情報なので、年下、同い年、年上かを含めて、お話できません…」と詳細は控えたが、「11月ぐらいに一緒に指輪を作りに行った」と堂々の報告。レース前にはフィアンセから「頑張れ!!」と背中を押されたという。
既に相手の両親には婚約の承諾を得ており、往路優勝を果たしたこの日夜は2人で自身の両親と食事に出かけて、今後について話し合う予定も明かした。原晋監督発案の「あいたいね大作戦」にちなんで大会前に「優勝して笑顔で愛している人に会いたい」と〝予告〟していた4年生は「そういう意味でも成功させたい」と鼻を膨らませた。
卒業後はGMOインターネットグループに進み、マラソンで世界を目指す。「勝手に恋愛してください」と苦笑いの原晋監督も「しっかりトレーニングをやれば、マラソンで日本記録が狙える」と期待を寄せる逸材。大学生活で集大成の日は、人生最高の一日となった。(川並温美)
■太田 蒼生(おおた・あおい) 2002(平成14)年8月26日生まれ、22歳。福岡・篠栗町出身。北勢門小から篠栗北中、大牟田高(福岡)では3年連続で全国高校駅伝に出場。青学大に進み、箱根駅伝は1年時に3区で区間2位。2年時は4区で区間2位。前回大会は3区で区間賞。1万メートルの自己記録は28分20秒63。176センチ、56キロ。