【箱根駅伝】青学大が往路優勝 4区・太田蒼生、婚約指輪光らせ区間賞「彼女の両親にレース後初めて会ってOKもらいました」 – スポーツ報知

◇第101回東京箱根間往復大学駅伝競走往路(2日、東京・千代田区大手町読売新聞社前スタート~神奈川・箱根町芦ノ湖ゴール=5区間107・5キロ)

前年覇者の青学大が5時間20分1秒で2年連続7度目の往路優勝を果たし、2年連続8度目の総合優勝へ王手をかけた。4区の太田蒼生(4年)は日本人最高記録の区間賞で3位から2位に浮上し、逆転Vへ足がかりをつくった。レース後には婚約を発表。最後の箱根駅伝でも「太田劇場」の伝説を残した。(晴れ、気温3・7度、湿度56%、北北西の風2メートル=スタート時)

左薬指には指輪が光っていた。青学大優勝の立役者となった太田は会見で指輪について「婚約しました。早いうちに結婚したい」とサラリと答えた。101回目となる伝統の継走で、前代未聞の優勝会見での婚約発表。箱根駅伝の歴史にその名を残した。

お相手については「個人情報なのでお話しできません」と断った上で説明した。「(昨年)11月に彼女と一緒に婚約指輪を作りに行きました。彼女の両親にはきょうのレース後に初めて会ってOKをもらいました」。太田の両親とはこの日夜に面会するという。原晋監督(57)からは「知らん、勝手に恋愛してください」と突き放されたが、チームで掲げた「あいたいね大作戦」に触れ、太田は「そういう意味でも『あいたいね大作戦』で頑張りました」と笑った。

5区・若林の逆転をアシストする快走だった。首位の中大と2分24秒差、2位の創価大と50秒差でスタート。「自分の感覚を信じて走った。前を追いかけることしか考えていなかった」。5キロを13分58秒のハイペースで飛ばし、13・2キロで創価大を逆転した。日本人最高記録(1時間30秒、20年青学大・吉田祐也)を更新する1時間24秒の区間賞。首位の中大との差を45秒まで縮めた。「区間記録(1時間、23年東京国際大・ヴィンセント)を更新できずに悔しい。あと30秒速く走っていたら、もっと若林を楽にさせられた」

箱根路で「太田劇場」を見せ続けてきた。1年時は3区2位で受けて首位に浮上する走り。2年時は4区2位で壮絶な首位争いを展開した。前回は3区で日本人歴代最高記録の区間賞を獲得し、青学大の2年ぶり7度目の優勝に貢献した。3、4区で日本人最高記録保持者になるなど、インパクトを残したが、最後は区間賞と、まさかの婚約発表と前例を超えてきた。

今春の卒業後、GMOインターネットグループ所属のプロランナーとして東京世界陸上マラソン日本代表を目指し、3月2日の東京マラソンに出場予定。大学最後の箱根は左手薬指に婚約指輪、首に往路優勝メダルという姿で終わった。青学大が往路優勝時は過去6度あり、すべて総合優勝を飾っている。「チームが総合優勝できるように、あす(3日)は全力で応援します」と太田。総合優勝と婚約の喜びに浸る。(竹内 達朗)

◆太田 蒼生(おおた・あおい)2002年8月26日、福岡・篠栗町生まれ。22歳。大牟田高を経て、現在は青学大コミュニティ人間科学部4年。箱根駅伝は1年で3区2位、2年4区2位、3年で3区区間賞。今季は出雲6区で3位、全日本7区で2位。自己記録は5000メートルが13分53秒10、1万メートル28分20秒63、ハーフマラソンは1時間2分30秒。176センチ、56キロ。

「五輪で優勝したい」予想の斜め上を行く

◆こんな人 太田は常に予測の斜め上を行く選手であり、人物だ。昨年12月、太田が3月2日の東京マラソンに出場予定という話を原監督に聞いた。今年の世界陸上日本代表の選考基準のひとつに「日本記録を出した競技者」という項目があり、クリアさえすれば初マラソンの太田にもチャンスはある。代表を狙う意思を確認したら「日本代表になれるようにチャレンジします」と即答した。ここまで予測していたが、太田は「最終的に世界陸上や五輪で優勝したいと思っています」と重ねて答えた。これからも予測の斜め上を行く活躍を期待したい。(竹内 達朗)

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